moving「沖へ」

昨日の続き。moving theater ドキュメントプログラム「沖へ」。
http://murakawa-takuya.com/2012/moving2012/

三陸には古より
"船を守るために津波が迫る沖へ向かって船を出す"教えがあるそう。
津波と聞けば、なるべくそこから離れるという概念しかなかった。
ので、まずその教えに驚きました。


タイトルでもある「沖へ」。
まさしく台風の目にあえて向かっていく様は壮絶だけど、
それを話す姿は、何故か淡々としていて、
まるで日常の断片のようでした。


その謎は、映画の後のトーク
"震災前と後ではどちらが日常でどちらが非日常か"
という問いに対しての
"今が日常で、何事もなく過ごしていた過去が非日常"
という答えで明らかになりました。


驚いたけど、いつだって生きてる今が日常。
どんなに環境が変わっても、
まずは今を日常と受け止める所から始める。
なんだか妙に納得しました。


震災のドキュメンタリー。
辛い、苦しい、悲しい、という表面的な物ではなく、
食事やカラオケ等、南三陸での日常を通して、
人の持つ強さや優しさ、ほんの少しの可笑しみ。
そういったものが心に響く作品でした。