個展「神様は星空から降ってきた」

f:id:ichi375:20210228105946j:plain

白白庵にて個展を開催します。とはいえ、東京は緊急事態宣言解除がされなかったので、オンラインでの展示となります。予約制のご来場も中止となりました。その代わり、遠方のお客様にも存分に楽しんでいただけるように、スタッフの皆さまが尽力してくださってます。私ももう作品は発送したので、あとはお任せするのみとなり、1お客として楽しみにしているところです。

 

日時 2021年3月13日(土)午前11時 ~ 22日(月)午後7時
会場 白白庵オンラインショップ

《 PAKUPAKUAN.SHOP 》 内特設ページ

↓詳細はこちら

www.pakupakuan.jp

 

個展のタイトルは白白庵のオーナーである石橋さんが付けてくれました。ギャラリーneutronから数えて約20年来のお付き合いです。普段は作品のタイトルでも、私は"神様"という言葉を使う事はないのですが、今回はこのタイトルをいただいた時にすんなりと入ってきて即決となりました。ここで言う"神様"は、特定の宗教を指してのものではなく、山や花や川や星ややおよろずの神様と呼ばれる全てのものという意味での神様です。もっと言えば、それら全ての根底に流れる共通した概念、思い、であると思います。

 

作風は変わってもこの20年、その思いだけは変わらずいつでも制作の根底にありました。今回はその20年分の絵画を中心に、絵本、マトリョーシカこけしなど、これまでの制作の集大成となるようにセレクトしています。小作品はあまり在庫がなかったのでほぼ新作、大きな作品は懐かしいものもたくさんお目見えします。最近は少し絵を描く姿勢にも変化が現れ、絵自体も変わってきたように思います。こんな風に描きたい、ではなく、描く事自体を楽しみたい、と思うようになりました。違う画材、技法など実験的な事を珍しくしています。そういった意味で一つの終わりであり、始まりでもある年だと思っています。

 

先日、2021ボローニャ国際絵本原画展のファイナリストが発表されました。応募を始めてから実に10年程。自分の名前が入選リストにあるのを見たのは初めてでした。こちらもこれで一つの節目となりました。

 

たくさんの人に支えられて今がある事を実感しています。絵を描く事を応援してくれる人たちが幸運にも私の周りにいつもいる。何も恩返しできないままですが、絵を描く事で何か伝えられたら幸いです。

 

日々移り変わり、何もつなぎとめる事はできないし、手に入れたと思っても、指の隙間からいつでもこぼれ落ちてゆく事を歯がゆく思う日々。そんな中で、絵だけはたくさんの瞬間を閉じ込める事ができると信じています。物や風景だけでなく感情までも。そして同じ感情にも色彩にも二度と出会う事はないと思っています。今回の個展で展示する絵もきっと唯一無二であると思います。すでに今描きかけの絵は今までのどの絵とも違う。けれど過去の作品を見れば、その時何を感じていたか瞬時に思い出せる。作品とはそういう装置なのだと思います。作品をご購入いただいた方にとっても、その人の心を揺さぶった大切な何かを日常で忘れかけた時、思い出させる装置となれば幸いです。良き出会いがありますように。飼い猫の里親を探す気分でお待ちしています。(笑)